御茶ノ水、最近になって何かしらのついでに良く回ってみる街である。 頻繁に行くところは楽器屋である。バンドを再開してからというもの、どうしてもギターやベースに目が行くようになった。 池袋や渋谷、秋葉原にも結構楽器屋があるのだが、数多くの楽器屋が軒を並べているので、比較しながら時間を潰すのにはとても都合の良いところではある。 学生の頃も良くこの街を歩いた。 その当時はまだ学生運動の名残である、大きな立看板が大学の校門のところに立てかけてあった。 楽器屋もあることはあったのだろうけど、あまり見て歩いた記憶がない。 JR御茶ノ水駅で降り、ブラブラと歩いて古本街や神田の方へ向かうのが恒だったような気がする。 自分は京浜東北線沿線の蕨というところに住んでいたから、どうしても秋葉原で総武線への乗換えが必要になった。 けれど、電車の乗り換えに慣れていなかったので、必ず秋葉原のホームで迷ってしまうのである。 どこをどう通るのか忘れたけれど、ホームに出てみればそこは浅草橋、両国方面である。 本当は御茶ノ水へ行きたいんだけれど、なぜか反対側のホームへ出てしまうのである。 あの、ホームが立体交差しているのは違反だよ。(汗) ある日、御茶ノ水の段違いになったホームに下りた時、ずっと小さい頃の記憶が蘇ってきた。 5歳の時の記憶である。 実はそのホームで、総武線を止めてしまったことがあった。 親戚の葬儀のために、新宿から中央線に乗り長野へ向かう途中であった。 ひどく喉が渇いた自分は、水が飲みたいと親父に駄々をこねた。 そして、親父は水を汲みにホームへ降り、水を汲んだ後に降りた入り口とは別の入り口から乗った。 それを知らない自分は、不安になって追いかけて降りたんだろう。 その辺の前後は記憶が無いのだが、電車を止めて乗ったという記憶ははっきりしている。 それでもまぁ、許されてしまったおおらかな時代であった。(笑) The End. |