【あの人109】Iさん 仕事上の大先輩である。 自分よりも、いくつ年上なのだろう。 自分が40歳の時は、すでに定年になっていたのだから、そろそろ80歳の声は聞こえているのかも知れない。 いつも不機嫌な顔をしていた気むずかしい人であったが、時々何かの拍子に笑うこともあった。 それがとても珍しい。 自分としては、怒られたり文句を言われたりした記憶しか無いのだが、仕事上の事なので、後々には気にすることも無くなった。 通勤は電車だったはずだが、15km程南の駅が最寄り駅で、夜勤の時はどうやって通っていただろう。 当時は0時に終了になる仕事もあったはずであるが、家族の送迎があったとは聞いていない。 今も昔も午前零時過ぎにに発車する通勤電車は一ノ関駅には無い。 その夜勤の時は、会社で出前を取っていたのだが、自分が聞きに行くとほとんどの答えが「湯麺」である。 これは、働く場所が工業団地の方へ移ってからもそうであった。 なぜに彼はそこまで湯麺をこよなく愛したのか、今となっては聞くこともできない。 亡くなったとは聴いたことが無いので、きっと老後を楽しみながら存命なのであろう。 懐かしい人だ。 |