【あの人102】M・U君 彼に会ったのは何年前だったろう。 結婚して奥さんを実家に連れてくるというので、ついでに同級生も集まって冷やかしながら、それをつまみに飲むかという感じだった。 彼は結婚が遅くなったので、ずいぶんと照れていたが、すっかり奥さんの尻に敷かれていた感じがしていた。 幸いと奥さんは酒が強くて、同級生の女性達ともわいわいと飲んだりしゃべったり・・・もちろん食べたり。 彼との付き合いは、小学校の3年生からである。2年から3年になり初めてのクラス替えで同じ3年B組になった。 うちは両親が働きに出ていたので、時々いろんな友達が来て遊んで行ったが、彼もその中の1人であった。 しかも頻繁に来ていたから、多分仲がだいぶ良かったんだろうと思う。 3、4年生は同じクラスであったが、それ以降高校を卒業するま同じ学校にいたが、一緒になったことはない。 小学校の3年というよりも、4年生になり遊びも野球が中心になってきた頃、中学になり野球部に入るような同級生と同様に、彼もまた頭角を現してきた。ここで頭角という言葉を使ったのは、他の同級生よりも頭1つ飛び出して野球が上手かったからである。 Sという、これまた野球の上手いお兄さんの影響だったらしい。 彼が自衛官になったと聞いたのは、20歳も過ぎて同級会に出席した時だったと思う。 それを聞いたときには、彼にはぴったりの職業に就いたなと思った。 どうしてかというと、彼の小中学生の時の、お兄さんの影響でのストイックな体の鍛え方を知っていたからである。 腹筋と言わず胸筋と言わず、同級生の中では誰よりも筋肉が発達していた。 そんな彼だったが、自衛官とは一般の会社員や公務員と違って、定年が早いのである。 階級によっては60歳定年もあるが、それはかなり上の階級である。 彼の属していた階級は、はっきりとは知らないが、それでも60歳よりはだいぶ早いのである。 あの時に、定年になったらどうしようかと、いろいろと思っていたのだが、その後は本人や同級生からも情報が入ってこないので、定年した後の暮らしぶりは分からない。 それでも、きっと奥さんと楽しく暮らしているだろうと思う。 |