【あの人101】T君 「がっちゃん」と呼ばれていた。 「がっちゃん」とは、マンガ「ドクタースランプ」の中に登場する金属を食べてしまう双子の赤ちゃんである。 どうして、「がっちゃん」と呼ばれていたかは、当時から分からなかったな。 彼は学生時代、静岡のどこからだったか、毎日電車で通っていた。 2時間半ぐらいかかるということだったけれど、恐ろしく遠いところから通うんだなとびっくりした。 首都圏で2時間半の通勤・通学時間とは、今になって思えば、他にも沢山いたに違いない。 高校時代はサッカーをしていたというから、静岡県内の高校なので、きっとすごいんだと思う。 あまり親しくはしていなかったけれど、何度か友達の輪に入っていて話をしたこともある。 なぜか、最近になって急に思い出した。 当時読んでいたマンガの主人公の苗字と同じである。 マンガの主人公の名前は「勇介」だったけれど、本人の名前は思い出せない。 なぜか雰囲気が似ていて、遠くを見ている感じがしていたが、身長は割と高かった気がする。 今はどうなっているのだろう。 地元に勤めたのかどうか、就職先も知らないし、どこへ住んだのかも知らない。 もうすでに孫がいてもおかしくない年齢になっているのだが、そういう現実とかけ離れたところで暮らしているような気がするな。 元気ならば、それでいいのだけれど。 |