【あの人91】W君 水沢から波乗りに来ていた彼。 波乗りのポイントを小泉海岸から、通称「うに浜」〜「玉石」あたりに移した年に知り合った。 年齢的にも近かったかも知れない。確かめたことは無かったけど、自分と同級生だと思っていた。 そして、波乗りの腕も自分とあまり変わらなかったように思う。 いや、少し彼の方が上手かったかも知れない。 海の上では波を取ったり取られたり、譲ったり譲られたりしながら乗っていた。 陸に上がれば、何が面白いのかバカな話ばかりしていたような気がする。 彼は競技系のスキーをしていた先輩と一緒に来ていた。水沢から来ていたのは、彼とその先輩の他に誰がいたのかは覚えていない。もっといたようにも思う。 水沢だとどこを通った来たら近いのか分からないけど、一関から向かうよりも若干遠くて時間が掛かっていたんじゃないかな。 ある日突然、家業が忙しくなるから海へは来られなくなりそうだと言っていたことがあったが、それ以来彼をそのポイントで見かけることが無くなった。また、他のポイントへ遠征しても彼の姿は見えなかった。 確か文房具屋だと聞いていたが、それも定かではないしどこにあるのかも分からない。 自分とよく一緒に行っていた友達さえも、その文房具屋に付いては知らないようだった。 一体彼はどうしたんだろう。 元気にやっているのだろうか。 |