by simple-hama
【あの人は今・・・】


【あの人90】・・・

高校1年の時に同じクラスになった彼。
もう名前も忘れてしまったが、気になることがあって忘れられない。
少し変な人間が割と多く集まる高校だったので、それほど気にもしていなかったし、自分も普通だとは思っていなかった。
後から他の同級生から聞いた話しによると、1年落第して同級生になったらしい。
入学したての頃、多分席が近かったんだと思うが、割と話しをするようになった。
当時、自分は国鉄の時刻表で架空の旅をすることが楽しかった。(もうその辺から普通ではないような気がする)
当時は青森と函館の間にはトンネルが存在せず、青函連絡船でつながっていた。船の旅自体は4時間だったが、上手く乗り換えができなければどちらかの駅で相当な時間を待たされることになった。
そんなことが楽しくて、北海道方面への旅を企てた。
そんな話しをチラッと彼にしたんだろう。こちらが一言いうと、向こうからは五つの事が帰ってきた。
それで、鉄道の話しをしようと言うことになって、自分の家に押しかけてきた。ひょっとしたら招いたのかも知れないが。
わざわざ同級生の家まで来てする話しなので、さすがに彼は鉄道に関して詳しかった。
今でいう鉄っちゃんだったのだろう。列車名とか形式とか、そういうことがことさら詳しかったのを覚えている。
夏休みを過ぎたころだったろうか、彼は自然と学校に来なくなっていて、いつの間にか長期休暇に入った。
自分が2年生になった時には、もう一度(二度目か)1年生からやり直すことになっていた。
その後、彼がどうなったのかはよく知らないのだが、退学をしたというようなことを聞いた。
そんなこともすっかり忘れたしまっていた20歳を少し過ぎたの頃、自分はすでに就職していて、仙台と地元との間を時々東北本線の普通列車を利用していた。
ある日、自分の座っていた座席の向かい側に、見覚えのある彼が座っていた。
誰か知り合いと話しをしていたようであったが、目が合った時に「よおぅ」と手を挙げて挨拶をした。
けれども、その挨拶を目にしていながら、あからさまにシカトされた。
まぁ、そんなやつだよなぁと思いながら、高校1年の時の鉄道の話しを思い出した。
今の彼はどうなっているだろう。
当たり前だが、いいおっさんの年になっているはずである。
が、いいおっさんになっているかどうかは不明である。



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