【あの人86】K・Cさん 少し前に、自分のデスクの目の前の女性が「今日、K・Cさんに会いましたよ。元気そうでした。」と話してくれた。 懐かしいなぁと思うと同時に元気そうで良かったと思った。 今の会社に入ったときには、もうすでにデザイン部門のチーフだった。 デザイン部門といってもデザイナーさんではなく版下を作成する達人であった。 まだ業務にMac入ってくる以前の話しだ。 文字も写植機で古い人は活字を拾っていたりしていた。 そんな時代を生き抜いてきた人である。 いつも回りの皆を笑わせ、豪快に生きて人である。 時代は手作業からMacに変わると同じ頃、彼も別のセクションに移った。 そこで相変わらず皆を笑わせながら仕事をしていたのであるが、あるに事故が起きた。 詳しいことは分からないけれど、作業中にトラックの荷台から落ちてしまった。 しかも頭を床に打っているという。 しばらく入院したのだが、残念ながら後遺症が残ってしまい、完全に元には戻らず職場復帰はならなかった。 定年が近いと言うこともあったのだろう、自己退職であった。 その後、おそらくリハビリを頑張り、後遺症と闘ったことだろう。何年かして、突然彼から在職時代の礼状が届いた。 確かに往年の彼の筆跡とはだいぶ変わってしまっていたが、それでもちゃんと読むことが出来るほど立派な字だった。 それからずっと彼のその後の話しは聞くことがなかったが、元気そうな彼に会ったという話しを聞いて嬉しくなった。 |