【あの人85】S・Cさん 3つ年下だったかな。 いつも行く喫茶店の常連になっていた女の子。 とはいっても最初に出会ったのは彼女が高校生の時だった。 自分が高校を卒業して蕨に住み始めたころに、自分も高校時代から通いつめた喫茶店に入り浸っていたらしい。 確か、自分が夏休みになって初めて帰省した時だったかなぁ、彼女の同級生とかその彼氏とか、そういう一団を引き連れて常連になっていた。 中心メンバーは彼女と、もう一人の女の子。高校は違っていたけれども、やはり中学の同級生だった。 その喫茶店のマスターや他の常連、自分の同級生たちと、いつもわいわいがやがや遊んでいた。 堤防でローラースケートやフリスビーをしたり、夏は海に遊びに行ったり、大晦日は初詣に行ったり。 いつも行きつけの喫茶店で騒いでいたので、時々二階の誰も来ない、後に座席に替わってしまうところへ押しやられていた。 休みの日は、高校生なので当然お金は無いから、コーヒー一杯で一日中遊んでいた。 自分の友達、同級生、先輩、あるいはあまり知らない他のお客さんから、みんなの妹的な存在だったのだろう。 そんな彼女もいつの間にか高校を卒業する年になり、仙台へと引っ越した。 仙台では仕事が忙しかったりで、会う機会はあまり無かった。 最初の就職先を辞め、2つ目の就職先はアパレル関係、当時はハウスマヌカンっていう言葉が流行っていた。 その後、東京のショップに移ったと聞いたけれど、それ以来彼女には会っていない。 自由奔放で天真爛漫な笑顔を振りまいていたけれど、でもどこかナイーブな心を持っていた彼女だけれど、今は何処でどう暮らしているのかは分からない。 ショップオーナーになって一財産築いているとか、あるは大学受験を向かえる子供を抱えるお母さんになっているとか、彼女のその後を想像している。 |