by simple-hama
【あの人は今・・・】


【あの人58】T・Sさん

小学校の頃に野球を教えてくれて、一緒にやってくれた人。
小学校の2年生ぐらいまではテニスボールのような軟らかいボールで、近所の友達何人かと野球をするのが晴れた日の日課だった。
3年生になった頃になぜか民区(地区)の野球チームに入ることになった。ボールもそれまでのテニスボールのような軟らかいものでは無く、軟式野球用のいわゆる軟球である。
3、4年生なると民区のチームに入って野球をする習慣になっていた。一応は公式のチームに入れるのであった。
対外試合は、やはり他の民区とやるというのが普通だった。今のようにクラブチームやリトルリーグなどはあるはずも無い。また、5、6年生になると小学校のクラブで、他校との対外試合をやるようになっている。
やはり同級生の野球好きが何人か同じ民区にいて、彼らとも何度も野球をやっていた。同じ民区なのでもちろん同じチームに所属していた。
当然、一つ先輩も同じチームに所属している。その中に彼がいた。同じ民区なので住んでいる家もそんなに離れていない。
それでも、小さいころからやっていた軟らかいボールの野球のときは一緒にやったことは無かった。
突然俺の野球という視界の中に現れた彼は、ひょっとしたらどこからか転校してきたのかも知れない。
彼はキャッチャーで小学生の低学年から見たら、妙に大人っぽくてとても格好良かった。特に守備に着いたときに、キャッチャーマスクを手に持って全員に掛け声をかける姿が格好良かった。
そいう姿に憧れた俺は、やはり草野球や後の中学、高校ののクラスマッチの野球では、マスクを被りキャッチャーをやっている。
対外試合は記憶にあるのは1度だけである。もちろん彼はキャッチャー、俺は何とかライトのポジションに入っていた。その試合で俺が打ったかどうかは覚えていない。守備から攻撃に移るときに走ってベンチに戻ってきたとき、すごく緊張していたのを思い出す。
残念ながら、彼も打てたのかどうか、そして試合に勝ったのかどうか、それより、どこのチームとやったのかさえ思い出せない。


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