【あの人52】Zさん 専門の時の同級生なんだが、名前がHさんだったかTさんだったか定かでない。 同級生といっても俺よりもいくつか上だった。 どこかでサラリーマンをやっていたけれど、やり直したいので専門に入って勉強していると言っていた。 確か奥さんだったか彼女だったかはちゃんといて、なんだかやさ男風でとっても格好良かった。 男の俺でもちょっと惚れそうな感じである。 それもそうだ、全国的にも有名だった族の頭もやったことがあると言っていた。クラスでもシャコタン系や斜眼系の人達も一目置く存在だったのは間違いない。 そういう人というのは、やはり他人を惹きつける何かを持っているものだ。そうでなければ何十人もの人間がその人間の下に集まるわけが無い。 ベースは横浜、ある夏の金曜日に「今晩集会があるんだけど○さん(俺)、一緒に行ってみない?」と誘われたこともあったけれど、その時はご丁寧にお断りした。 今考えるとそういう体験も中々できないから、一緒に交ざってくれば良かったなぁ。(笑) 学校では服装の規則は無かったので、色々な格好をした人達が登校してきていた。 俺のようにGパンとTシャツにビーサン、アロハにチノパン、ネクタイをしっかり締めてスーツ姿。 彼はいつもスラックスと白のYシャツ。しかもシャツの下は下着を着ないで腹にさらしを巻いている。彼曰く「シャキッとしていいんだよ」と。(笑) う〜ん、今考えても格好いい。 彼ももちろん一緒に卒業したのだが、その後の進路については聞いたことが無かった。 今ではきっと、皆から一目置かれるサラリーマンになっているに違いない。出世なんかとは到底遠い彼の世界で。 また、会ってみたいものだ。そして、あの当時はできなかった酒を飲みながら。 |