【あの人34】K・Sさん 彼女とは短い期間だったが、一緒に良く遊んだ幼なじみだった。 高校の1年の時、朝学校の玄関で「○○さんですよね?」と話しかけられた。俺はその○○さんだったので、「そうです」と答えたら、「Kです、覚えてますか?」と問いかけられた。そのときはちょっと考えながら懐かしそうな顔をしたのだが、俺の記憶の中に彼女は居なかったのだ。 それでもやっぱり女の子から話しかけられたというのが気になってあれこれと考えてみた。そしたらあることが思い当たったのだ。 小さい頃、多分小学校の1年とか2年生の頃に実家のすぐ近くの家の敷地にあった貸家に住んでいたことがあった。もうその貸家は無くなってしまっているが、当時は一緒に遊んだりしたから、今でもその貸家の家の中の事まではっきりと思い出した。 お父さんはおそらく学校の先生だったんだと記憶していて、3年生の頃には隣の小学校へ転向してしまった。 その後中学生になった時に学校対抗の野球対抗試合か何かで会って、短い時間だったけど会話を交わしたのだった。 そんなことを彼女は覚えていてくれたのだ。 高校時代にその彼女とは一度も同じクラスになることが無く、あまり話もしたことは無かった。 同窓会のときに久しぶりに会った彼女は、同級生同士で結婚して教師になっていた。そしてすばらしい夫婦になっていた。 |