by simple-hama
【あの人は今・・・】


【あの人31】E君

同業他社の若手だったけど、なぜか彼と気が合った。
当時仙台にあった非破壊検査屋はそう多くなかったのだが、彼がいた会社は業界でも中堅の仙台支社だった。
その会社は俺が働いていた会社から5分ぐらいの所にあって、お互いに機材を貸し借りしたり手が空いていると出向という形で手伝いをしたりしていた。
在仙の検査屋はどれも規模が小さく従業員の数も少なかったので、そんな融通もきかせる事ができた。それに会社同士はライバルではあったが、いがみ合ったりはしていなかった。
彼と一緒に仕事をしたのは2回だった。どちらも俺がチーフでその現場の検査を仕切っていたが、どうしてもうちの会社だけでは人手が足りずに彼を今で言う短期レンタルしたのだった。
彼と言えば、俺よりも2つ下で仙台の経理系の専門学校を卒業していた。そして仙台から北に2,30km離れた実家から通勤していたのだった。どうも高校の時はそのあたりでヤンキーをやっていたらしく、バイクが好きな俺とも話しが合った。
二人で漫才みたいな事を話しながら仕事をしたのだったが、そんな面白い彼と仕事ができるのが結構楽しみでもあった。
現場のあき時間にお互いのプライベートな事を話し合ったりしていたが、話しを聞いていくうちに彼の専門学校の同級生に俺の友達の今では離婚してしまった奥さんがいたらしいのである。それともっとびっくりしたのは一関の実家の近くの女の子とも同級生だったという。しかもどうやらその子と付き合っていたらしいのだ。さすがにそんな偶然にびっくりした。
俺の働いていた会社も無くなってしまったが、彼の働いていた支社も建物ごと無くなってしまった。
どうしているのだろうか、彼の事だから面白おかしく、どこかの会社で働いているだろう。


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