【あの人21】H・Oさん(投稿作品) もう、15年も前の話になります。 当時、大学生だった私は、友達3人と夏休みに沖縄に旅行に行きました。そこに、夏の間リゾートバイトに来ていたのが彼でした。どうせ、ナンパ目的の軽い奴だと勝手に決め付けていたのですが、彼は幾度となく私たちを助けてくれました。 それも、とてもさりげなく・・・。今思うと、いつもわたしの隣に座っていてくれた気がします。 夏休みも終わり東京へと戻った彼と、遠距離ながら付き合い始めました。よく、親に嘘をついて彼に会いに行ったなあ・・・。 でも、あの頃のお子様の私には、彼に余りにも惹かれすぎる自分が怖くて、怖くて、心にもないことを言ったりしたりして、彼に嫌われてしまいました。 好きで好きでたまらないのに、うらはらなことをして自分でも何が何だか訳がわからず、そんな私を彼は突き放すようになりました。で、自然消滅・・・。 親に猛烈に彼との交際を反対されたり、会いたいのにすぐに会えないというジレンマ。散々、彼に不愉快な思いをさせました。 あれから、彼の事は封印してきました。彼とは出会わなかったと思わんばかりに、振り切って生きてきました。15年経って、その間いろんな人と出会いましたが彼以上に惹かれる人はいませんでした。 あの若かった頃に、衝撃を覚えたあなたとの出会いは、やはり特別な物だったのだと改めて痛感しました。 今どうしているのかなあ…。あなたのことだから、しっかり生きているんでしょうね。 私も、大人になりました。あの時は、本当にごめんなさい。何の言い訳にもならない けど、あなたのことが好きすぎて、怖かったんです。会うたびに惹かれて、たまらなく好きで、でも一緒にいれなくて、色々不安で不安で。早く壊したかったんです。 あなたがしてくれたいろいろな事、忘れていません。忘れられません。あなたは、やっぱり、私の生涯一の人だったんです。 本当に、ごめんなさい。どこにいるのか、何をしているのか全然わからないけど、あなたがこの日本のどこかで幸せに暮らしていることをただ願っています。 あの時は、ありがとう。そして、ごめんなさい。 |