【あの人14】Gさん 彼は俺よりも3つ年上で、高専生だった。 一関にあった音楽サークルの中心的存在で、とても個性的な人だ。そのサークルは2:10という音楽好きの高校生が参加していたが、俺も1年生の時から仲間たちと参加していた。ちなみにこのサークルからは「NSP」というプロのフォークグループも生まれた。 この2:10という名前は、土曜日の午後2:10からミーティングが始まるということに由来している。そんなサークルに毎週顔を出すのが、他に楽しみも見いだせないでいた俺は大変好きだった。 2:10にはとても個性が強くて面白い人たちも多かったが、彼はひときは目立った存在だった。しかしサークルをぐんぐんと引っ張っていくというタイプではなく、自分の好きなことをしているという感じ。そしてリーダーをサイドから支えているとう感じであった。そして、サークルの宴会部長でもあった。 ディープ・パープルのコピーを中心にハードロック系のバンドでドラムを叩いていた。特に力強くて切れのいいスネアの音が印象的だった。 すでに車の免許を持ち、おんぼろの車を運転していた。 頭にはパーマがかかっており、歩くたびにその髪の毛がふわふわと動いていたのを覚えている。 いろいろな意味で俺にとっては、とても大人に思えたのだ。 高専は5年間の履修だが、彼は6年在籍してるという話しを聞いたことがあるがその真相は定かではない。 しかしちゃんと卒業して彼の地元の電気系の技術屋になったという話しは、彼が卒業してしばらくしてから聞いた。 その後、2年ぶりに偶然に行きつけの店で彼と会ったが、あの頃のパーマは取れていてワイシャツとネクタイという想像もできなかった姿だった。(笑) |